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<飼育される玲奈>
京都大原の奥にある大きな屋敷の別棟。ここは、撮影スタジオやライブショーのハウスを兼ね備える洋館の二階です、洋館二階の階段右側、十六畳のスタジオと八畳の調教部屋はスライドの仕切りを開けると続きになってショールームです。調教部屋とはドアひとつ奥は四畳半の監禁部屋です。監禁部屋には畳一枚分の檻があり、洗面台があり、ここへ連れてこられた玲奈は、この檻に入れられ飼育されます。食べ物、飲み物、化粧道具以外は、このスペースで事足りるというわけです。
「ここへ入ってろ」
身体トレーナーの山中哲夫と栄養士の村山徹が、先ほどセックスの相手とした二十歳の玲奈を、監禁部屋の檻に入れます。
「はぁああ、こんなの、こんなとこ、わたし、どうして」
衣類を与えてもらえず、陰毛を隠すだけのスキャンティをつけた二十歳の玲奈です。監禁部屋は四畳半と狭い洋間で鉄格子の檻が畳一枚分。その横には透けて見えない仕切りがあって、シャワールームとトイレが一緒、座って入れるバスルーム。檻とバストイレ部の前二畳分に長椅子ベッドが置いてあって、幅は60㎝縦が160㎝、四隅から30㎝の杭が出ている代物です。
「しばらく、ここで、生活だな、バイト先へは辞めると連絡しておくから」
「どうして、わたし、こんなところで、どうして」
玲奈には何が何だかわかりません。それにここが何処なのか、ドライブに連れていってもらって、気がついたらここにいたのです。顔見知りの町田、いまここにいる山中と村山は初対面、男三人からからだを求められ、からだを奪われてしまって、いまここ、檻の中に入れられてしまった玲奈です。
「ここは空調、床暖、利かせてあるから、快適だと思うよ」
「はぁああ、ここはどこですか、どこなんですか」
「それにバス、トイレ、シャワー、好きに使っていいんだよ」
「いま、何時?、わたしのスマホ、持たせてください」
「所持品は預かってある、もう玲奈には、必要ないんだよ」
「ええっ、どうしてですかぁ、どうして必要ないんですかぁ」
「うっふふ、広瀬玲奈は別にいる、別の玲奈がおまえの替わりに、いるんだよ」
玲奈は自分が自分でないような感覚です。居場所がわからない、目の前、鉄格子の向こうに、初対面の男子二人。先ほど辱めを受けた部屋がドアの向こうにある、確認できるのはそれだけです。スマホが手元にないからマップが開けない。ラインやフェースブックもできない。
「シャワーか風呂か、好きな方を使ったらいいよ、じゃあ、また、あとで」
玲奈ひとりになった監禁部屋ですが、監視カメラがついているから、玲奈の動きはすべてモニターで見られています。
<わたし、どうなるのかしら、こわい、どうしよう、ここはどこなの?>
男二人、山ちゃん、村ちゃん、まだ若い感じのイケメンお兄ちゃんだわ、玲奈には男性には恐怖を覚えません。連れてきた町田はコンビニバイトで、顔見知っていて、それなりに親しみを持っていたから、怖くはありません。でも、いま、どこに、いるのか、それに何日の何時なのか、それがわからなくなっているのが、玲奈を不安にさせる原因です。

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